「学問の神様」として知られる、文京区の湯島天満宮ですが、受験祭だけの神様だと思っていませんか?
実は湯島天満宮には、勝運・強運・スポーツ必勝や病気回復のご利益だってあるんです。今回は、東京でも有数のパワースポット、湯島天満宮に行きましょう。
湯島天満宮は、湯島駅から歩いても60分くらいで参拝できます。
湯島天満宮とは?
最初に、湯島天満宮の歴史を簡単に紹介します。
湯島天満宮は、雄略天皇二年(458)に創建され、天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を祀ったのがはじまりです。その後、正平十年(1355)に菅原道真(すがわらのみちざね)の御偉徳を慕い、文道の大祖と崇め本社に勧請しあわせて奉祀したそうです。
つまり、一般的に知られる菅原道真公の前に、神話で有名な、天之手力雄命を祀る神社として創建されたのです。
次に、天之手力雄命と菅原道真公についても見てみましょう。
天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)とは?
天之手力雄命は、日本神話に出てくる大地の神様で、大力・勝運強運・スポーツ必勝の神様です。
神話では、天岩戸に隠れた天照大神を引きずり出し(『日本書紀』の一書や『古語拾遺』では「引き開けて」)、世界に明るさを戻したと言われています。
天之手力雄命を祀る神社としては、長野の戸隠神社が有名。そのため、湯島天満宮の境内には、天之手力雄命を祀る「戸隠神社」があります。
菅原道真(すがわらみちざね)とは?
菅原道真は、5才で和歌を詠じ、33才で文章博士となりました。
御著の詩文集に「菅家文草」「菅家後集」があるほか、「三代実録」「類聚国史」「新撰万葉集」などの編著にも当たられ、世に菅公・菅丞相とも呼ばれ、学問の神さまとして崇拝されています。
湯島天満宮では、1355年に菅原道真を勧請して合祀し、それ以来、学問の神様して知られるようになりました。
湯島天満宮は、天之手力雄命の力(勝運・強運)と菅原道真の知恵(学問・合格)の、2つのご利益を持っているんですね。
そのため、有数のパワースポットとして知られているようになったのです。
湯島天満宮を参拝
それでは実際に、湯島天満宮を参拝してみましょう。
湯島天満宮には鳥居がいくつかありますが、今回は拝殿の正面に位置する表鳥居から参拝します。
表鳥居は、大通りから脇道に入ったところにありますので、少し回り道をして行く必要があります。東京メトロ千代田線「湯島駅」から春日通りの坂を上り「湯島天神入口」という交差点を入りましょう。
湯島天神入口の鳥居をくぐると、左手に唐門と呼ばれる門がありますが、入らずにまっすぐ進みます。しばらくすると、左手に表鳥居が見えてきます。
これが湯島天満宮の表鳥居です。一礼をしてから境内に入りましょう。
「手水舎」で身を浄める
表鳥居から境内に入ると、左手に「手水舎」があります。最初に身を浄めます。作法は次のとおりです。
まず右手で柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み、左手にかけて左手を清めます。次に柄杓を左手に持ち替えて、同じように右手を清めます。再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を受け、その水を口にふくんですすぎます。
(このとき、柄杓に直接口をつけることは誤りです)
口をすすぎ終えたら、もう一度水を左手にかけます。最後に水を入れた柄杓を立て、柄に水を流してから柄杓置きに伏せて置きます。
身を浄めるのは、神様への礼儀です。
新社殿の前で参拝する
身を清めたら、正面の新社殿に参拝です。
参拝の形式は次のとおりです。
賽銭箱に賽銭を入れたあとに、鈴のある神社では鈴を鳴らし、二拝二拍手一拝の作法にて拝礼します。二拝とは拝(深いお辞儀)を二回することをいい、二拍手とは拍手を二回することをいいます。
これが参拝の基本作法ですが、二拝二拍手一拝の前後に一揖を加えていただくと、いっそう丁重な作法になります。
これで参拝は終了ですが、湯島天満宮の境内には、他にも見どころがたくさんです。せっかくなのでいくつか見てみましょう。
湯島天満宮境内を歩く
主なものを紹介します。
悪いところが治る「撫で牛」
境内にも、石でできた牛の像が2体あります。
これは「撫で牛」として信仰されており、自分の体調が悪いところを撫でるとよくなると言われています。なぜ牛なのかというと、菅原道真公が牛をとても慈しんでいたから。
自分の遺骸を牛に乗せて人に引かせることはしないで、その牛が行きたい場所に行かせよ
道真公は、このような遺言を残すほど、牛を大切にしていたそうです。実際に遺骸を託された牛は、黙々と歩き安楽寺というお寺の辺りで動かなくなりました。そこが道真公のお墓となったと言われています。
屋根に秘密が隠された「新社殿」
さきほど、参拝をした新社殿です。もう少し詳しく見てみましょう。
新社殿は、ご本殿と、参拝する人のための拝殿が幣殿で結ばれている「権現造り」という様式で造られています。
拝殿の特徴は、正面屋根の三角部分が通常のものより大きく造られているところです。これは、先ほどくぐった正面鳥居が拝殿よりも高い場所にあるため、三角部分を大きうして立派に見せているのです。
また、本殿の屋根も通常より大きく造られています。これは本殿は拝殿よりも高いという原則に基づくためです。
文京花の五大まつり「梅園」
湯島天満宮は、江戸時代より「梅の名所」として親しまれており、毎年3月ごろには境内を埋め尽くします。
神社のある文京区では、花の五大まつりのひとつとして「梅まつり」を開き、多くの観光客を集めます。
梅まつりでは、和楽器の演奏や物産展も行われています。ぜひ訪れてみてください。
世界のホームラン王の「努力碑(王貞治)」
元巨人軍、王貞治氏の世界記録を称える石碑です。
石碑に刻まれた「努力」の文字は王さんの直筆です。
天手力雄命を祀る「戸隠神社」
新社殿の裏側には、戸隠神社があります。
最初に説明したとおり、もともと湯島天満宮は天手力雄命を祀る神社として建てられた神社です。天手力雄命は、湯島天神の地主神であり、長野の戸隠神社と同じ神様です。なので、湯島天満宮の境内にも戸隠神社が建てられています。
天手力雄命は勝運・勝負運のご利益を持つ神様なので、忘れずに参拝しておきましょう。
戸隠神社の横には、夫婦坂と呼ばれる急勾配の下り階段があります。夫婦坂を下ると春日通りに繋がります。
来るときは、表鳥居へ回るため通り過ぎましたが、帰るときはここを下ったほうが近道です。かなり急な階段なので気をつけて下りましょう。
これで湯島天宮の参拝は終わりですが、もう少し散策してみましょう。
湯島 甘味処みつばち
湯島天満宮から春日通りを下り、御徒町方面に向かうと「みつばち」という甘味処があります。
みつばちは、小倉アイスの発祥と言われており、名物の和菓子を求め、多くのお客さんが集まります。
もし、お時間があるようでしたら、名物小倉アイスをご賞味ください。
この日は、小倉アイスは注文しませんでしたが、どれも美味しいですよ。
店の雰囲気も素晴らしいです。
湯島天満宮のデータ
- 東京都文京区湯島3-30-1
- TEL03-3836-0753(代表)
- https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/
- 開門時間:午前6時~午後8時
- 入場料:境内の見学は無料