東京十社をめぐってきました。
今回は、私が実際にめぐってきた東京十社の交通機関・アクセス・行き方を紹介します。
東京十社とは?
明治元年、明治天皇が准勅祭神社として弊帛を捧げられ、東京の鎮護と万民の平安を祈願されたお社を東京十社と言います。
引用/東京十社めぐり公式サイト
簡単に言うと、東京都内でも特に格式の高い10の神社のことを東京十社と言います。そして、十社を順番にめぐることを東京十社めぐりと言います。
この東京十社をめぐるのが、静かなブームとなっています。
どのようにめぐる?
さて、東京十社めぐりは、どのくらい距離をめぐるのでしょう?
公式サイトによると約40キロとあります。
人間の歩く速度は、だいたい時速4キロと言われているので、すべて歩くと10時間といったところでしょうか。すべて徒歩でめぐることは不可能ではないようです。
でもやっぱり不可能っぽいので、電車やバスなどの公共機関を使ってめぐるのが一般的でしょう。
乗換案内を使って、電車やバスでのルートを調べたところ、次のようなルートとなりました。
品川駅→徒歩19分→【品川神社】→徒歩5分→新馬場駅(京急本線)→品川駅(山手線)→浜松町駅→徒歩3分→【芝大神宮】→徒歩4分→大門駅(大江戸線)→六本木駅(大江戸線)→徒歩12分→【赤坂氷川神社】→徒歩11分→【日枝神社】→徒歩3分→溜池山王駅(南北線)→王子駅(南北線)→徒歩5分→【王子神社】→徒歩4分→王子駅(南北線)→本駒込駅駅(南北線)→徒歩9分→【白山神社】→徒歩15分→【根津神社】→徒歩7分→根津駅(千代田線)→湯島駅(千代田線)→徒歩7分→【神田神社】→徒歩8分→御茶ノ水駅(総武線)→亀戸駅(総武線)→徒歩14分→【亀戸天神社】→徒歩9分→柳島(門33豊海水産埠頭)→門前仲町二丁目(40分)→【富岡八幡宮】
ちょっと分かりづらいですが、自分なりに調べた最短距離です。
ひたすら進めば約2時間ちょっとですみますが、食べたり観光したりすることを考えると、4~5時間くらいでしょう。
東京十社めぐり
それではスタートします。
品川神社をめぐる
まずは、品川神社をめぐります。
品川駅
まずは、JR品川駅からスタートです。港南口(東口)を出て南に進みます。
第一京浜沿い(京浜急行沿い)に進むと最短距離ですが、ひとつ内側の旧東海道を進みます。このあたりは品川宿という宿場町だけに、当時を思い起こさせるような建物を見学できるからです。
商店街を抜けたところで右に曲がりましょう。ここは北馬場参道通りて、文字通り品川神社の参道です。参道を進み、第一京浜を渡ると品川神社です。
品川神社
天皇陛下即位の奉寿記念事業として令和元年に神楽殿が、令和2年に御社殿がそれぞれ修復工事により新装成りました。
天比理乃咩命(あめのひりのめのみこと)、宇賀之売命(うがのめのみこと)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)
平安時代末期の文治3年(1187)に、源頼朝公が創始した神社です。慶長5年(1600)、徳川家康公が関ヶ原の戦いへ出陣の際に参拝し、戦勝を祈願したそうです。その後、祈願成就の御礼として仮面(天下一嘗の面)・神輿(葵神輿)などを奉納したと言われています。
平安時代末期の文治3年(1187)に、源頼朝公が創始した神社です。慶長5年(1600)、徳川家康公が関ヶ原の戦いへ出陣の際に参拝し、戦勝を祈願したそうです。その後、祈願成就の御礼として仮面(天下一嘗の面)・神輿(葵神輿)などを奉納したと言われています。
東京十社でもっとも南に位置する神社で、赤色の拝殿が印象的です。境内には「富士塚(品川富士)」があります。毎年7月には山開きの神事が行われています。
空いていたので、のんびりと境内を散策できました。まだまだ最初なので元気いっぱい、階段をさくさく登って参拝していきます。
芝大神宮をめぐる
次は芝大神宮をめぐります。
新馬場駅
次が浜松町(山手線)なので、品川駅に戻って山手線に乗ってもいいのですが、さっき来た道を戻るのは嫌なので、目の前の京急「新馬場駅」から電車に乗ります。品川駅で山手線に乗り換え浜松町駅で降ります。
浜松町駅
浜松町駅の東口から出て竹芝通りを進むと、2~3分で「芝大神宮」が見えてきます。
芝大神宮
伊勢神宮の御祭神、天照大御神(内宮)、豊受大神(外宮)の二柱を主祭神としてお祀りしている御鎮座一千年を誇る神社です。
天照大御神(あまてらすのおおみかみ)、豊受大神(とようけのおおかみ)
平安時代の寛弘二年(1005)に創建されたお社です。鎌倉時代に源頼朝公より社地の寄贈を受けました。江戸時代に徳川幕府の保護の下、関東一円の庶民信仰を集め「関東のお伊勢さま」として数多くの人々の崇敬を戴いています。
最寄りが山手線の駅ということが影響しているのでしょうか。参拝している人が多いです。たぶん、近所の増上寺や東京タワーとセットで来ている人も多いのでしょう。
赤坂氷川神社をめぐる
次は、赤坂氷川神社をめぐります。大江戸線「大門駅」に向かいます。
大門駅(大江戸線)
「芝大神宮」から大江戸線の大門駅はすぐ近くです。ただし大江戸線は地下深いのでホームに着くまで時間がかかります。
六本木駅(大江戸線)
六本木駅は地下深い大江戸線の駅の中でも、最も深い場所にあります。ビルに直すと8~9階建てのビルと同じくらいの深さです。地上に出て、東京ミッドタウンの横を抜け、檜町公園の横を抜けると赤坂氷川神社が見えてきます。
赤坂氷川神社
951年創祀、一千年の歴史を有する神社。厄除、良縁の参拝が特に多く、月1回の「縁結び参り」は告知後すぐに定員に達します。
素盞嗚尊(すさのおのみこと)、奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむぢのみこと別名…大国主命)
天暦5年(951)武州豊島郡一ツ木村(人次ヶ原)に創祀された神社で、1000年以上の歴史を持っています。江戸時代に、8代将軍 徳川吉宗公が将軍職を継ぐに至り、現在地に現社殿を建立、翌年遷座が行われました。
どの駅からも微妙に歩く(10~15分)のですが、とても由緒のある神社なので是非行ってほしいです。たぶんですが、東京十社のうち最も厳かというか、落ち着いた雰囲気があります。
日枝神社をめぐる
次の日枝神社は赤坂方面へ向かって歩きます。
距離はありますが、緩やかな下り坂なので疲れはそれほど感じません。
TBSの社屋を横目に見て進むと、外堀通りの先に鳥居が見えてくるはずです。
日枝神社
約800年前に創祀。皇居の裏鬼門に位置しています。元々は江戸城の中に鎮座していたので、徳川将軍家に篤く崇敬されていました。
大山咋神(おおやまくいのかみ)
日枝神社は江戸氏が山王宮を祀り、文明10年(1478)に、太田道灌公が江戸町の繁栄の礎を築いた神社です。天正18年(1590)には、徳川家康公が江戸に移封しています。
さすがに日枝神社は参拝に来る方が多いです。拝殿では行列ができていたので我々が横からお参りをします。ちゃんとお賽銭も入れました。
王子神社をめぐる
次は、王子神社をめぐります。
溜池山王駅(南北線)
溜池山王駅は、日枝神社からすぐの永田町駅から直結していますが、はっきりいってこれは罠です。地下鉄の案内板に沿って歩くと、地下の駅のホームをめちゃくちゃ遠回りさせられるので、地上を歩いて溜池山王駅に向かったほうが早いです。
王子駅(南北線)
溜池山王駅から王子駅まで20分以上かかります。これまで短いスパンで電車に乗ってきたので、久しぶりにゆっくり座れます。この間に次の計画などを練ると良いでしょう。王子駅を出るとすぐに「王子神社」があります。
王子神社
元准勅祭、東京十社の北方守護。御神徳は開運除災・子育大願で初宮、七五三、安産、厄除などに御神威が深いです。
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)
創建は詳らかではありませんが、源義家の奥州征伐の折、当社の社頭にて慰霊祈願を行い、甲冑を納めた故事が伝えられ、古くから聖地として崇められていたと考えられています。
御祭神が5柱で、それぞれが有名神(じん)です。例大祭の神輿が飾ってありました。神社の隣には桜の名所「飛鳥山」ごあります。周辺には良さげな居酒屋が並んでいますが、今日は寄らずに次の神社を目指します。
白山神社をめぐる
次は、白山神社をめぐります。
王子駅(南北線)
南北線で少し戻って「本駒込駅」で降ります。白山神社というと「白山駅」なのですが、実は本駒込駅からでもすぐに着きます。本駒込駅を出て、人気の中華料理店「兆徳」の角を右に曲がって少し進むと白山神社が見えてきます。
白山神社
加賀国石川郡に鎮座していた加賀国一之宮「白山比咩神社」から勧請された神社です。
菊理姫命(くくりひめのみこと)、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冊命(いざなみのみこと)
天暦2年(948)加賀一宮白山神社を本郷元町に勧請したことに始まります。元和2年(1616)に巣鴨郷(現在の小石川植物園)に移りますが、明暦元年(1655)に、5代将軍綱吉の屋敷を同地に建てるため、現在地に移転しました。
白山神社は紫陽花(あじさい)で有名です。毎年6月にはあじさい祭りが行われ、境内を紫陽花が彩ります。富士塚はその時期のみ開かれ、たくさんの人が訪れます。
鳥居のすぐ横には「孫文の碑」なるものがあります。これは、実際に孫文が座ったようで、そのときに流れたハレー彗星を見て、辛亥革命を誓ったと言われています。座ることはできませんが、一見の価値はあります。
根津神社をめぐる
次は、根津神社をめぐります。
白山駅(B~ぐる)
次の根津神社には、文京区のコミュニティバス「B~ぐる」を使います。歩いても15分くらいですが、B~ぐるは100円なので、時間と体力を温存するために乗ります。バスに乗って5分ほどで「日本医大前」に着くので降りましょう。
日本医大前(B~ぐる)
バスを降りて、斜向かいにあるのが「根津神社」です。
根津神社
今から1900年くらい前、日本武尊(やまとたける)が創祀したと伝えられる古社で、文明年間には太田道灌が社殿を奉建しています。
須佐之男命(すさのおのみこと)、大山咋命(おおやまくいのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)
日本武尊が駒込の地に創祀、後文明年間に太田道灌が社殿を奉建したお社です。何回かの遷座を経て、6代将軍・家宣を住んでいたこの場所に根津神社を移して今に至ります。
さらに、文京区といえば文豪の街、森鴎外や夏目漱石にまつわるものが境内に残されています。毎年4月~5月にかけて、つつじ祭りが開催されるので、できればその時期に来てみたいです。
神田神社をめぐる
次は、神田神社をめぐります。
正面境内を出て参道を歩くと不忍通りに出てきます。通り沿いに歩いて、千代田線「根津駅」まで行きましょう。
根津駅(千代田線)
根津駅から湯島駅は一駅なのですぐに着きます。
湯島駅(千代田線)
湯島駅の5番か6番出口から神田白山通りを南に6分ほど歩くと、右手に石段が見えてきます。これは神田神社の男坂と呼ばれる階段です。境内に入りましょう
神田神社
正式名称は神田神社。東京の中心~神田、日本橋、秋葉原、大手丸の内、旧神田市場、築地魚市場~、108町会の総氏神様です。「明神さま」の名で親しまれています。
大己貴命(おおなむちのみこと)、二之宮少彦名命(すくなひこなのみこと)、三之宮平将門命(たいらのまさかどのみこと)
天平2年(730)に創建。慶長15年(1610)9月15日、神田祭の日に関ケ原の戦いで勝った徳川家康は、元和2年(1616)江戸城の鬼門にあたる現在地に遷座し、江戸時代を通じ江戸総鎮守となりました。
東京の中心108町の氏神として崇められています。そのため、境内はいつでも多くの人が訪れます。最近ではアニメの聖地としても知られ、境内でもアニメグッズが売られています。
亀戸天神社をめぐる
次は、亀戸天神社です。
正面の鳥居から出て、JR「御茶ノ水駅」に向かいましょう。
御茶ノ水駅(総武線)
駅のホームから見えるアーチ型の橋は「聖橋」です。京都タワーや日本武道館と同じ、山田守氏による設計です。
亀戸駅(総武線)
北口から明治通りを歩き、蔵前橋通りを西に進むと、右手に亀戸天神社の参道が見えてきます。
亀戸天神社
主祭神である菅原道真公は学問の神様として有名で、藤や梅など四季折々の花を観覧するため多くの参拝者で賑わいます。
天満大神菅原道真公(すがわらのみちざね)
寛文二年(1662)菅原道真の末裔・菅原大鳥居信祐公が、九州の太宰府天満宮より勧請したお社です。地形、社殿や楼門、太鼓橋などを、太宰府の社にならって造営されました。
目を引くのは、鳥居と本殿の間にある太鼓橋でしょう。亀戸天神社に来たことがない人でも、江戸時代の絵図なので一度は見たことがあるのではないでしょうか。本殿の後ろには、東京スカイツリーが見えています。
富岡八幡宮をめぐる
次は、富岡八幡宮をめぐります。
「富岡八幡宮」には、電車の便が悪いのでバスで行きます。蔵前橋通り沿いのバス停から乗ります。
柳島(門33豊海水産埠頭)
車窓から下町を眺めていると、約20分ほどで「門前仲町二丁目」に着きます。ただし、バスは時間帯によって路線が大きく変わります。スケジュールに合わせて、調べ直してみてください。
門前仲町二丁目
永代通りを歩くと、「深川不動」が見えてきて、その先に「富岡八幡宮」があります。
富岡八幡宮
富岡八幡宮は、江戸時代から庶民に親しまれています。境内には日本一の黄金神輿「一の宮神輿」の他、勧進相撲ゆかりの「横綱力士碑」などみどころが多数あります。
応神天皇(おうじんてんのう)
寛永4年(1627)、現在地に御神託により創建されました。「深川の八幡様」と親しまれ、今も昔も変わらぬ信仰を集める「江戸最大の八幡様」です。
東京十社めぐりもラストです。ラストだからというわけではありませんが、境内にはいろいろなものがあります。
鳥居をくぐってすぐ左には、江戸時代の測量士・伊能忠敬銅像、右手には大関力士像、もちろん奥には横綱力士像もあります。歴代の横綱の名を刻んでいるので、知っている力士を探すだけでも楽しいです。
東京十社めぐり まとめ
品川駅をスタートしたのが朝の10時で、最後の富岡八幡宮を参拝し終えたのが18時でした。8時間も何をしてたのかって話ですが、それはもう、品川駅でお菓子や飲み物買って、行く先々で乾杯して、赤坂でゆっくりランチを食べて、根津でおやつを食べてたら、こんな時間になってしまいました。
もうちょっと遅かったら真っ暗になっていたかもしれません。次はもうちょっと急いで、6時間以内の東京十社めぐりを目指します。